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働き方改革により保育園や幼稚園でも、労働時間の見直しや業務効率化の動きが強まりつつあります。今回は保育士の業務効率化の方法と目的そして抱える課題について紹介します。
保育士がこなしている業務ごとに、効率を上げる方法をリストアップしました。
保護者へ配布するおたよりや連絡メールを毎回一から作っていると非常に手間と時間がかかりますのでテンプレート化しましょう。
テンプレート化した文章やよく使う画像などをクラウドサービスに保存しておくと、保育士同士データ共有できます。そのため画像を探す手間が省けるなど非常に効率的です。
クラス別に色を、項目別にサイズを変えるなど、目的ごとに書類をまとめるファイルの色や大きさを変更し揃えることで探しやすくなります。
作業を終わらせる目標時間を設定し時間を守るくせをつくと残業時間を減らすことができます。
PCだけでなくスマートフォンからも送信できるように設定すると連絡が楽になります。アプリケーションを活用するのもいいでしょう。
ティッシュやボールペンなどの必需品は、必要な時に取りに行っては時間と体力のロスになるのでエプロンのポケットに常に形態しましょう。
エプロンのポケットに入る量は限界があります。そのため印鑑付き3色ペンや修正テープ付きボールペンなど1個2役の便利グッズで容量と手間を減らしましょう。
子どもの世話をしているとどうしてもエプロンが汚れてしまいます。汚れたらすぐに着替えられるようにエプロンは複数枚用意しましょう。重ね着をしておいて、汚れたらすぐに脱ぐのもオススメです。
お昼寝の時間に保育日誌の書き込みや掃除をするので、子どもを出来る限り早く寝かしつける技を身に着けることで、保育以外の業務時間を確保しましょう。
壁面装飾が得意など、人はそれぞれ得意分野が異なります。各保育士の得意分野や能力を把握した上で割り振り、役割分担することで業務全般の効率化を図ります。得意分野でも人によってレベルは違うので、無理に分担しないようにしましょう。
会議を行う時は「必ず時間管理する人」と「一人当たりの報告時間」を決めておくと、時間内にまとめて話せる習慣が身に付きます。議会ごとに時間を割り振った、会議事前資料のテンプレートを用意するのも有効です。
会議中に新しく議題や報告が出てきた場合、時間内に意見がまとまらないまま終了してしまうことが多いです。その場合、持ち帰って次回までにメールやチャットなどで意見をまとめておきましょう。
手書き作業が多い書類作成業務をICT化することにより、PC編集ができるので修正が簡単で書類作成時間を大幅短縮できます。
園児の登降園時間や保育士の労務管理もICTシステム上で自動集計・管理可能です。なので朝の慌ただしい時間帯での記入漏れや間違いを防ぎます。
ICT化により、保護者はスマ―トフォンアプリから欠席、出席、早退、遅刻などの連絡ができるので毎朝の電話混雑が解消します。またアレルギー食品などの重要な連絡漏れを防ぎます。
おしらせや毎日書く日誌もICT化により短時間で完成でき、保育士同士の情報共有も可能です。
ICT化でシフトや勤務時間を一元管理できるので、シフト表を手書きすることなく勤務管理作業の軽減につながります。
ビジネスでもよく使われるPDCAの考え方は、保育の場面でも活用できます。
保育士の仕事は保育以外にも事務作業や保護者対応など一人で抱える業務量が多く、残業が続き休みが取りづらくなりやめてしまうケースが少なくありません。
この場合業務効率化の目的は「保育士の離職を防ぐ」ことです。そのために、業務量の削減・負担の軽減や働きやすい環境作りなどを行いましょう。
保育士の仕事は業務量が多く種類も多岐に渡り、それぞれの園が抱える問題もあり、一つ一つの業務の質の担保が難しいです。この場合業務効率化の目的は「保育業務全体の質の向上」です。そのために、ミスが少なくなるようマニュアル作成する、業務を自動化するなど、業務の質を向上させることで必要な業務だけを正しい手段で効率的に進めましょう。
業務を行う理由や優先順位、頻度の回数理由など自分だけでなく他の保育士の現状把握をしておくと、業務の必要と不必要を見極めることができます。また、業務にかかる所要時間などを洗い出すと業務の可視化に繋がり、非常に効率的といえます。
現状把握後、業務時間の短縮方法を考え、手作業ではなく自動化するなど改善策を話し合います。業務ごとに改善策の答えは異なるので、課題ごとに適切な解決の選択肢を選ぶようにしましょう。
プロジェクトチームを立ち上げ、仲間で話し合いながら各Stepに取り組む時期や具体的な取組を整理・計画します。法人・管理職・現場の協力や承認などが必要な事項がある場合、それぞれ書き入れていきます。
課題決定後、1年後の改善姿とその理由を想定します。そのためにはプロジェクトチームが取り組むプロセスを時系列で示します。
3年程度の中長期な計画で業務改善のビジョンを打ちだしより抜本的な改善に取り組むことができます。
改善策を出せたら、実際にそれが有効なのか試して効果測定をする必要があります。改善策を試した後と以前の業務を比較し、どの方法が適切だったのか、どのように改善されていたかを分析しましょう。色んな角度から分析することで、従来のやり方の見直しや実際に効果が出たかどうか測定することができます。
改善された効果が測定されることによって、業務が可視化され、保育士一人ひとりの業務量削減や負担軽減が実現するでしょう。
現代の日本では核家族増加により子どもを保育園に預ける共働きの家庭が増え、さらに保育・幼児無償化が進むことで保育士の深刻な人手不足を引き起こしています。そのため保育士一人の肩にかかる責務や仕事量は残業をしないとこなせないほど多くなり、保育の質の担保が難しいです。このような現状では保育士になりたいと思う人の増加は難しいでしょう。
保育士一人一人の負担を軽減し、職場環境の改善を行うには保育業務の見直しと効率化を急ぐ必要があります。業務効率化は保育園の喫緊の課題です。保育園が目指す目的を明確にし、抱えている課題を洗い出して業務効率化を目指すことで、保育士の人材確保や保育の質向上へとつなげていきましょう。
発達メカニズム解説、発達支援の内容と援助の解説、発達通過率グラフなど、保育士の研修にも役立つ機能が豊富
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