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保育園の昼寝時間中には、乳児が窒息により死亡する事故が発生しています。ここでは、保育園における睡眠時の事故と安全対策について紹介します。
多くの保育園では、乳幼児が長時間の集団生活を送るうえで体力や集中力を維持できるように、昼寝の時間を設けています。
しかし、睡眠時には寝返りを打ったり動き回ったりすることによって口がふさがれ、窒息のリスクが上がることが懸念されます。実際に、保育園の昼寝時間中に乳児がうつぶせになってしまったことによって、窒息で死亡してしまうといういたましい事故が発生しています。
そのため保育園に対しては、睡眠時には乳児の窒息リスクが上がることを念頭に置き、寝ている間も鼻や口が覆われていないかこまめにチェックするなどの安全対策について指導されています。
乳幼児が突然睡眠中に死亡する原因には、窒息のほかに、乳幼児突然死症候群(SIDS)も挙げられます。乳幼児突然死症候群(SIDS)は、既往歴などもなく元気だった赤ちゃんが突然亡くなってしまう病気で、平成30年には60名の乳幼児がSIDSで亡くなり、乳児期の死亡原因の第4位となっています。
乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因は明らかになっていませんが、仰向けよりうつぶせで寝ているときに発生しやすいことが研究結果として出ています。そのため乳幼児を寝かせるときは、仰向けにすることが推奨されています。
睡眠時の窒息による事故を防ぐためには、うつぶせにならないように仰向けに寝かせて、こまめに乳幼児の顔色や体調の確認をすることが重要です。しかし、保育園では多数の乳幼児を限られた人数のスタッフが見守ることになり、どうしても目が行き届かないこともあります。
そこで睡眠時のチェックを徹底するためには職員の増員が求められますが、人員不足を補うためにAIシステムを導入することも可能です。睡眠時のチェックに役立つAIシステムは、寝ている乳幼児の様子をカメラで撮影し、うつぶせ寝が続くとアラームで職員に知らせる仕組みです。職員が常に映像をチェックする必要がなく、同時に複数の乳幼児の見守りが可能になります。
保育園の職員が睡眠時のチェックをする際には、誰がいつどんな確認をしたかを明確にすることも必要です。どんな状態が窒息リスクにつながるかを正確に把握することも、安全対策には欠かせません。
そこで、国や自治体では事故防止のハンドブックや姿勢や顔色などを記録する睡眠チェックリストなどを配布しています。睡眠時のチェックを徹底することが、安全対策に大きく役立つでしょう。
なお睡眠時のチェックにICTシステムを導入する際には、保育士に対する研修も必要です。保育士の研修について詳しく知りたい方は、以下のページも参照してください。
保育士の研修にはどんなものがあるか、こちらの記事も参考にしてください。
子どもが健やかに眠っていると気が緩みがちですが、そんなときこそ事故が起こらないように気を引き締めないといけません。睡眠時の窒息に気づかないまま死亡事故につながってしまう恐れがあるので、特に注意が必要です。保育園で多数の乳幼児を限られた人数でチェックするには限界があるので、ICTシステムの導入が助けとなってくれるでしょう。
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